動物の病院 くすめ

診療対象動物:いぬ・ねこ・うさぎ・ハムスター・フェレット・鳥

愛犬・愛猫のために知っておきたい不妊手術(避妊・去勢)のメリット・デメリットとその後のケア

      2024/08/16

不妊手術(避妊・去勢)について、こんな質問を受けることがあります。

「避妊手術って、いつからしたらいいんですか?」

「手術後太ったりしますよね?」

「手術をするとどうなるんですか?」

「手術はするには予約が必要ですか?」

「入院が必要ですか?」

「マーキングはとまりますか?」

こういった飼い主さんからの質問に対して、ここで書いてあることが

全て答えられてるとは言えませんが不妊手術(避妊・去勢)ついてお話をさせていただきます。

1. 不妊手術のメリット

健康面のメリット

  • 病気の予防: 避妊手術を受けることで、メスの犬猫は子宮蓄膿症や乳腺腫瘍のリスクが大幅に減少します。去勢手術を受けたオスの犬猫も、精巣腫瘍や前立腺疾患のリスクが低くなります。
  • 寿命の延長: 研究によると、不妊手術を受けた犬猫は、受けていない犬猫よりも長生きする傾向があります。

行動面のメリット

  • 問題行動の軽減: 去勢手術を受けたオスの犬猫は、マーキングや攻撃的な行動が減少することがあります。また、発情期のストレスや不安が軽減されるため、穏やかな性格になることもあります。

  マーキング

  • 繁殖制限: 予期せぬ妊娠を防ぐことで、飼い主が負う責任が軽減され、また、野良猫や野良犬の増加を抑制する効果もあります。

2. 不妊手術のデメリット

健康リスク

  • 麻酔リスク: 不妊手術には全身麻酔が必要なため、麻酔に対するリスクがあります。ただし、健康な動物であればそのリスクは比較的低いです。
  • 手術後の肥満: ホルモンバランスの変化により、手術後に体重が増えやすくなることがあります。適切な食事管理と運動が必要です。

行動リスク

  • 活動性の低下: 一部の犬猫は、不妊手術後に活動性が低下し、動きが少なくなることがあります。しかし、適切な運動を促すことで解消できます。

3. 手術可能年齢

  • 一般的な推奨年齢: 犬猫の不妊手術は、生後6か月から1歳頃に行うのが一般的です。この時期には、性成熟が始まり、手術のメリットが最大化されます。

4. 不妊手術後の食事管理

  • カロリーコントロール: 不妊手術後、ホルモンバランスの変化により、犬猫は太りやすくなることがあります。カロリー摂取量を調整し、体重管理を行うことが重要です。
  • 特別なフードの導入: ロイヤルカナンのニュータードケア(療法食)または市販されている「避妊・去勢後用フード」や「ライトフード」は、低カロリーで、肥満予防に適しています。必要に応じて、これらのフードに切り替えることを検討してください。
  • 定期的な体重チェック: 手術後は、定期的に体重を測定し、増加している場合は食事量や内容を見直しましょう。

最後に

避妊手術を希望される飼い主さんへお願い

当院では、愛犬・愛猫の安全を最優先に考えて、避妊手術を行っております。手術を安全に行うために、以下の3点についてご確認いただき、ご協力をお願い申し上げます。

1. 妊娠している場合

もし、愛猫や愛犬が妊娠している場合は、出産後2ヶ月が経過してから避妊手術の予約を入れてください。出産後の体が回復し、母体が健康な状態になってから手術を行うことが重要です。

犬の偽妊娠のリスクと予防:飼い主さんが知っておくべきこと

2. 発情中の手術は避けてください

発情期に手術を行うと、出血が増えるなどリスクが高まるため、発情が終わってから手術の予約をお願い致します。発情が終わった後が、手術を行う最適な時期です。

犬の発情

猫の発情

3. 体調不良時には手術を避けてください

不妊手術(去勢・避妊)を受ける際には、以下のような体調不良が見られる場合、手術の予約を入れないでください。

  • お腹を壊して下痢をしている
  • くしゃみをよくする
  • 鼻水が出ている

これらの症状がある場合、麻酔や手術が身体に負担をかける可能性があるため、健康な状態で手術を受けることが最も安全です。

以上3点、愛犬・愛猫の健康を守るために、必ずお守りいただきますようお願い申し上げます。不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 - ブログ