シリーズ それって病気のサインかも!? 猫の泌尿器疾患編
2023/10/03
猫の泌尿器疾患
ネコちゃんのおもらし、血尿、頻尿、多尿など、おしっこのトラブルを理由に来院される飼い主さんを多くみられます。肥満(ダイエット)、トイレの位置の変更や数を増やす、清潔にするなど環境の改善で、自然と治ってしまうのもの。発見が遅れると命に関わるものや手術が必要になるものなど様々です。
猫の泌尿器疾患と主な症状
猫の尿路と腎臓の病気には色々ありますが、当院で通院される猫ちゃんは尿道閉塞、特発性膀胱炎および慢性腎臓病が挙げられます。尿道閉塞は尿道に結石がつくられることで、尿がでなくなる病気です。特発性膀胱炎はストレスや飲水量の問題によりおこる病気です。どちらの病気も症状として、頻尿・血尿・おもらし等がみられます。そして、猫の病気で最も多いとされているのが慢性腎臓尿です。初期症状として、飲水量の増加・尿量の増加・尿の色が薄くなる等の症状です。悪化していくと嘔吐、食欲不振がみられていき、重度になると尿毒症を発症する病気です。
ネコの泌尿器疾患の検査と治療
診断に必要な検査としては、血液検査、尿検査、X線検査、エコー検査などが挙げられます。血液検査でわかることは腎臓の働き。尿検査でわかることは尿路結石(結晶)、尿路細菌感染 、尿路の出血、蛋白尿 など。検査をすることで、早期発見につながります。
治療内容は、慢性腎臓病では点滴や積極的に水分を補給することにより、脱水を予防したり、体内の水分量を増加させて尿の量を増やし、老廃物の排泄を促したりします。腎臓の負担軽減のために腎臓病療法食や血圧のコントロールなどです。尿道閉塞に関しては、閉塞の解除と食事療法などによる再発予防。最後に特発性膀胱炎では、ストレスの解除や抗炎症剤、飲水量の増加が主な治療方法に挙げられます。
泌尿器性の疾患に関しては一度発症すると、完治しても再発することが多いです。そのため、長く向き合っていく疾患のひとつだと考えた方がよいかもしれません。
おしっこに関するブログは「心当たりありませんか?」でも紹介してますので合わせて読んでみてください。
おしっこチェックの方法については花王のサイト「月に1度の新習慣オシッコチェックの方法」を参考にしてみてください。リンクを貼っておきます。
https://www.kao.co.jp/cat-health/howto/