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犬猫の真菌症対策:次亜塩素酸ナトリウムを使った効果的な消毒方法と注意点

      2024/09/29

次亜塩素酸ナトリウムは、犬や猫が感染した真菌症(例えば皮膚糸状菌症)の消毒に効果的です。真菌の胞子は環境中に広がりやすく、清潔な環境を保つための消毒が重要です。以下は、次亜塩素酸ナトリウムを使用した消毒方法に関するガイドです。

1. 次亜塩素酸ナトリウムの濃度

真菌を効果的に除去するには、次亜塩素酸ナトリウムを適切な濃度で使用することが重要です。一般的には、0.1~0.5%の濃度が推奨されます。

  • 家庭用の漂白剤を使用する場合、通常は約5~6%の濃度で販売されています。これを水で10倍程度に希釈して使うことで、0.5%の溶液を作ることができます。

2. 使用方法

次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒する際には、次の手順を守ると良いでしょう:

  • 表面の清掃:まず、ペットが触れた場所や物品をしっかりと洗浄して汚れを落とします。次亜塩素酸ナトリウムは、汚れが残っていると効果が弱まる可能性があるため、事前に洗剤を使って掃除を行います。
  • 次亜塩素酸ナトリウムでの消毒:洗浄後、希釈した次亜塩素酸ナトリウム溶液をスプレーするか、布に浸して拭き取ります。
  • 十分な時間の接触:真菌胞子をしっかり除去するために、少なくとも10~15分ほど溶液が表面に接触するようにしてください。
  • 乾燥させる:消毒後は乾燥させることで、真菌の再発生を防ぎます。

3. 注意点

  • ペットの直接接触に注意:次亜塩素酸ナトリウムは強力な消毒剤ですが、ペットに直接使用することは避けるべきです。皮膚や粘膜に刺激を与える可能性があるため、ペットの体には使用しないでください。ペットが消毒したばかりの場所に触れる場合は、十分に乾かしてからにしましょう。
  • 換気:消毒作業を行う際には、換気の良い場所で行うか、消毒後しっかりと部屋を換気しましょう。次亜塩素酸ナトリウムの蒸気は吸入すると健康に悪影響を与える可能性があります。
  • 手袋と保護具の使用:消毒作業中は手袋を使用し、皮膚に直接触れないようにしましょう。消毒剤が皮膚に付いた場合はすぐに水で洗い流します。

4. 消毒対象

  • 床や家具:ペットがよく触れる場所(床、ソファ、ベッドなど)はこまめに消毒します。
  • 寝具やタオル:ペットが使っている寝具やタオルなどは熱湯消毒と併用すると効果的です。次亜塩素酸ナトリウムを使用する際は、漂白できる素材に限り使用します。
  • おもちゃや食器:ペットのおもちゃや食器は、次亜塩素酸ナトリウムではなく、ペット用の安全な消毒剤や熱湯を使用する方が安全です。

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