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ワンちゃん・ネコちゃんの皮膚トラブル、真菌感染が原因かも?見逃しがちな症状と対策

      2024/09/29

📖目次

1. 真菌感染症とは?

真菌感染症は、犬や猫を含むペットが真菌(カビや酵母)によって引き起こされる皮膚や内臓の感染症です。真菌は、湿気や高温を好むため、気温が高く湿度が高い季節に多く見られます。特に、皮膚にかさぶたや脱毛が見られる場合、真菌感染が疑われることがあります。

2. 真菌感染症の原因

真菌感染症の原因となる主な真菌は、以下の通りです。

  • 皮膚糸状菌(Dermatophyte):犬や猫の皮膚、毛、爪に感染する真菌で、個体によって脱毛やかゆみを引き起す場合があります。特に「白癬(リングワーム)」が代表的です。

  • カンジダ属酵母:通常は皮膚や消化管に常在している菌ですが、免疫力が低下した場合に感染症を引き起こすことがあります。
  • アスペルギルス(Aspergillus):肺や副鼻腔に感染し、重症化することがあります。

真菌は感染動物や環境(汚れた寝床、床、ブラシなど)から感染することが多く、免疫力が低下している動物や、長時間湿った状態にある皮膚が特に感染しやすいです。

3. 真菌感染症の症状

真菌感染症は他の皮膚疾患と区別が難しいこともありますが、代表的な症状として以下が挙げられます

  • 脱毛:円形または不規則な形で部分的に毛が抜けることがあります。
  • かゆみ:感染部位がかゆみを引き起こし、ペットが頻繁に掻くことが増えます。
  • かさぶたや発赤:皮膚にかさぶたができたり、赤く炎症を起こすことがあります。
  • 鱗屑(フケ):皮膚が乾燥して、フケのようなものが目立つことがあります。
  • 爪の変色:爪が厚くなったり、変色する場合もあります。

4. 診断方法

真菌感染症の診断には、いくつかの検査が行われることがあります。代表的な診断方法は以下の通りです。

  • ウッド灯検査:ウッド灯という特殊な光を当てて、真菌の感染を確認します。真菌が光に反応して緑色に光ることがありますが、全ての真菌が反応するわけではありません。
  • 真菌培養検査:皮膚や毛のサンプルを培養して真菌の有無を確認します。結果が出るまでに数日かかります。

      ・顕微鏡検査:皮膚や毛のサンプルを顕微鏡で観察し、真菌の存在を確認します。

5. 治療方法

真菌感染症の治療は、感染部位や症状の重さに応じて異なりますが、一般的な治療法は以下の通りです。

  • 局所治療:真菌感染が皮膚に限られている場合、抗真菌薬のシャンプーやクリームなどを使います。感染部位に直接塗布し、真菌を取り除きます。
  • 内服薬:皮膚に広範囲に感染している場合は、内服の抗真菌薬が処方されます。
  • 環境の消毒:感染の再発を防ぐために、寝具や生活環境も徹底的に消毒する必要があります。特に、共有スペースを清潔に保つことが重要です。
  • 免疫力向上:真菌感染のリスクを減らすためには、ペットの免疫力を高めることも重要です。栄養バランスのとれた食事や定期的な運動が役立ちます。

6. 治療期間

治療期間は真菌の種類や感染の程度によって異なりますが、通常の治療期間は 3週間から6週間 程度です。症状が軽度の場合、比較的短期間で治療が完了することもありますが、重度の場合や再発が多い場合は、数か月にわたる治療が必要になることもあります。治療を途中でやめると再発する可能性が高いため、獣医師の指導のもとで治療を継続することが重要です。

7. 治療中の注意点

真菌感染症の治療中、飼い主さんが心掛けるべきこと

  • 治療を途中で止めない:症状が軽くなったように見えても、治療を途中で中止すると再発することが多いため、獣医師の指示に従い、完治まで治療を続けることが重要です。
  • 効果的な環境消毒と家庭のケア方法:ペットの寝具やブラシ、カーペットなども真菌が生息している可能性があるため、定期的に洗浄・消毒(次亜塩素酸)を行うことが再感染を防ぐために重要です。紫外線や熱による消毒が効果的です。
  • 他のペットや人への感染予防:真菌は他の動物や人間にも感染することがあるため、治療中はできるだけ接触を避け、手洗いや衛生管理に気をつけることが大切です。

効果的な環境消毒と家庭のケア方法についてはこちらで詳しく解説しています。

8. 真菌感染症のリスク要因

ペットが真菌感染症にかかりやすい状況についても、飼い主に知ってもらうことが重要です。以下のリスク要因が真菌感染症の発生を促す可能性があります。

  • 湿気の多い環境:真菌は湿った環境を好むため、特に梅雨の時期や冬場の室内で加湿が強すぎる場合などはリスクが高まります。
  • 免疫力の低下:老犬や持病を抱えているペット、栄養状態が悪い場合など、免疫力が低下していると真菌に感染しやすくなります。
  • 他の動物との接触:特に多頭飼育や外で他の動物と接触する機会が多い場合は、感染のリスクが高くなります。
  • 頻繁なシャンプー:皮膚の油分が必要以上に失われると、防御機能が低下し真菌が繁殖しやすくなります。
  • 栄養不足や健康状態:栄養が偏っている動物や、他の病気にかかっている動物は真菌症にかかりやすいです。
  • 皮膚のトラブル:皮膚に傷や炎症があると、そこから真菌が侵入しやすくなります。

9. 飼い主の心配に対するQ&A

Q: 人間にも感染しますか?

    • A: はい、一部の真菌は人間にも感染することがあります。特に免疫力が低下している場合や子供、高齢者は注意が必要です。感染したペットに触れた後は必ず石鹸で手を洗いましょう。

Q: 完治までどのくらいかかりますか?

    • A: 通常は3〜6週間ですが、感染の程度によっては数か月にわたることもあります。早期治療と継続的なケアが大切です。
  • Q: 感染を防ぐためにできることは?

    • A: 清潔な環境を保ち、定期的なブラッシングやシャンプーで皮膚の健康を保つことが予防につながります。また、免疫力を高めるための栄養管理も重要です。

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