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🌸 春のお散歩、気をつけるポイント 🐶🐾

      2025/04/02

春は気温が上昇し、ワンちゃんにとって快適に過ごしやすい季節ですが、一方で季節特有のリスクも多く潜んでいます。本記事では、獣医学的な視点から春のお散歩における注意点と対策について詳しく解説します。


🦟 ① ノミ・ダニ・フィラリア症の予防

ノミ・ダニの感染リスク

ノミ・ダニは気温13℃以上で活動が活発化するため、春は特に注意が必要です。ダニの一種である**マダニ(Ixodidae科)**は、犬にバベシア症やライム病を引き起こすリスクがあります。また、ノミ(Ctenocephalides felis)は皮膚炎や瓜実条虫の媒介となる可能性があります。

予防策

  • **スポットオン剤(ピレスロイド系、ネオニコチノイド系)や経口駆虫薬(イソオキサゾリン系)**の使用が推奨されます。
  • 散歩後は耳、脇の下、腹部、指の間などを重点的にチェックし、ダニが付着していないか確認する。
  • 草むらへの立ち入りをなるべく避ける。

フィラリア症のリスク

フィラリアは蚊が媒介する寄生虫であり、肺動脈および右心室に寄生することで心不全を引き起こします。日本では4月〜12月の間が予防期間(地域によって)とされ、月1回の投薬が推奨されます。


🌿 ② 有毒植物の誤食防止

春にはさまざまな植物が開花しますが、犬にとって有毒な植物も多く存在します。

代表的な有毒植物と症状

植物名 主な毒性成分 症状
スイセン リコリン 嘔吐、下痢、心拍異常
チューリップ アルカロイド 皮膚炎、胃腸炎
ツツジ グラヤノトキシン 唾液分泌過多、嘔吐、神経症状
ユリ(特に猫) 不明 急性腎不全(猫に致命的)
アジサイ 青酸配糖体 嘔吐、下痢、興奮

対策

  • 犬が草や花を口にしないように監視する
  • 有毒植物が生えている可能性のある場所ではリードを短めに保つ
  • 誤食した場合は、すぐに動物病院へ連絡し、必要であれば催吐処置を行う

🤧 ③ 花粉・黄砂・PM2.5の影響と対策

犬の花粉症

犬も**スギ・ヒノキ花粉に対するアレルギー反応を示すことがあり、環境アレルギー性皮膚炎(CAD)**の一因となります。

主な症状は以下の通りです。

  • 顔や耳のかゆみ、発赤
  • 涙や目の充血
  • くしゃみ、鼻水
  • 肉球や脇腹の舐めすぎによる皮膚炎

黄砂・PM2.5の影響

黄砂やPM2.5は呼吸器疾患を悪化させる要因となり、慢性気管支炎や気管虚脱を持つ犬にとっては特に注意が必要です。

対策

  • お散歩後は濡れタオルやブラシで被毛を拭き、花粉を落とす
  • 空気清浄機を使用し、室内の花粉量を抑える
  • 黄砂やPM2.5の飛散量が多い日は散歩時間を短縮するか、室内遊びで代用する

☀️ ④ 気温変化と熱中症予防

寒暖差による影響

春は日中と朝晩の気温差が大きいため、体温調節が苦手な犬(短頭種、シニア犬、小型犬)は体調を崩しやすいです。

熱中症リスク

気温が25℃を超えると軽度の熱中症リスクがあり、28℃以上では特に短頭種(フレンチ・ブルドッグ、パグなど)は注意が必要です。

対策

  • 散歩の時間帯を朝早く or 夕方遅くに調整
  • 水分補給をこまめに行う(携帯用ボトルを持参)
  • 小型犬やシニア犬は薄手の服を着せて体温調整

🚶‍♂️ ⑤ お散歩ルートと運動量の調整

春は気候が良く、犬の活動量が増える時期ですが、過度な運動による関節トラブルにも注意が必要です。

関節への負担を軽減するポイント

  • 硬いアスファルトよりも芝生や土の道を選ぶ(関節への衝撃を減らす)。
  • 股関節形成不全や膝蓋骨脱臼のある犬は、急な坂道や階段を避ける
  • シニア犬は長時間の散歩よりも短時間の散歩を複数回に分ける

📢 Q&Aコーナー 🐾

Q1. ノミ・ダニ予防はいつまで続けるべき?

A: 気温13℃以上で活動が活発化するため、3月~12月まで予防するのが理想的です。

Q2. 花粉症の犬はどうすればいい?

A: アレルギー体質の犬は、抗ヒスタミン薬やオメガ3脂肪酸の補給が有効な場合があります。症状が強い場合は、ステロイドやアポキル(オクラシチニブ)を使用することもあります。

Q3. お散歩中に草を食べるのは問題?

A: 草自体は消化の助けになることがありますが、寄生虫の卵が付着していることもあるため推奨されません。また、除草剤が散布されている可能性があるため、食べさせないほうが安全です。

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