動物の病院 くすめ

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猫白血病ウイルス(FeLV)猫免疫不全ウイルス(FIV)にいて

      2024/08/15

      猫白血病 猫エイズはめずらしい病気ではありません。

もらわない

 あきらめない  

  ひろめないで

    あなたの大切な愛ネコを守りましょう。


猫白血球ウイルスと猫免疫不全ウイルスは、猫から猫へと感染し、完治する方法がない病気です。猫の約5~10%以上が猫白血球ウイルスに、約10~30%が猫免疫不全ウイルスに感染していると報告されています。

感染経路について

1. 猫白血病ウイルス(FeLV)とは?

FeLVは、猫の免疫系に深刻な影響を及ぼすウイルスです。感染すると、白血病やリンパ腫などの癌や、免疫力の低下によるさまざまな感染症にかかりやすくなります。

主な感染経路は

  • 唾液や涙、鼻水: 感染猫と健康な猫が互いにグルーミングを行ったり、食器や水皿を共有することで感染することが多いです。
  • 咬傷: ケンカなどでの咬傷によって感染が広がることもあります。
  • 母子感染: 感染した母猫が子猫を妊娠・出産する際や授乳を通じて、子猫に感染が広がることがあります。
  • 尿や糞: 感染猫の尿や糞に接触することで感染する可能性もあります。

2.猫免疫不全ウイルス(FIV)とは?

FIVは、人間のHIVに似たウイルスで、猫の免疫システムを徐々に弱めます。感染してもすぐに症状が出るわけではなく、数年かけて免疫不全が進行します。

主な感染経路は

  • 咬傷による感染: 主にケンカなどで咬まれた際に感染が広がります。特に、オス猫がテリトリー争いなどでケンカする際に感染するリスクが高いです。
  • 母子感染: 感染した母猫から子猫への感染も稀にありますが、FeLVほど一般的ではありません。
  • 性交渉: FIVは交尾によっても感染することがありますが、主な感染経路は咬傷です。

まとめ

  • **FeLV(猫白血病ウイルス)**は、主に唾液、涙、鼻水、咬傷、母子感染、尿や糞を通じて感染します。
  • **FIV(猫免疫不全ウイルス)**は、主に咬傷、母子感染、性交渉を通じて感染します。
  • 人や犬など他のペットには感染しません。

感染した猫の基本的なケア

感染してもあきらめないで!愛ネコを勇気づけるのは飼い主さんの愛情です。感染・発症しても、平均寿命より長生きする猫も少なくありません。

1. 定期的な健康チェック

  • 定期検診: 定期的に健康診断を行い、病院との連絡を密にする。

2.栄養管理

  • バランスの良い食事: 高品質で栄養バランスの取れた食事を与えることが、免疫力をサポートします。
  • 食欲不振への対処: 食欲が低下することがあるため、猫が好む食事や食欲を刺激するための工夫が必要です。

3. ストレスの軽減

  • 安定した環境の提供: 感染猫はストレスに弱いので、静かで落ち着いた環境を提供することが重要です。家庭内での大きな変化やストレス要因をできるだけ避けます。
  • 他の動物との接触を避ける: 感染猫が他の猫とケンカしたり、病気を伝染させるリスクを避けるため、他の猫との接触を控えてください。

4. 感染予防

  • 二次感染の予防: FeLVやFIVに感染した猫は、他の病気に対する抵抗力が低下します。定期的なワクチン接種や寄生虫予防が必要です。
  • 室内飼育: 感染猫を室内で飼うことで、他の猫との接触を避け、二次感染のリスクを減らすことができます。

5. 衛生管理

  • 清潔な環境: トイレや食器の衛生管理を徹底することで、感染症や寄生虫のリスクを低減します。
  • 定期的なグルーミング: 被毛や皮膚の状態を良好に保つために、定期的なブラッシングやシャンプーを行います。

6. 愛情とサポート

精神的なケア: 飼い主からの愛情やスキンシップは、猫の精神的な健康に大きな影響を与えます。感染している猫に対しては、特に注意深く見守り、安心感を与えることが重要です。

 

感染を予防するためのポイント

1.室内飼育

 - 猫を室内で飼うことで、他の猫との接触を避け、感染リスクを大幅に減らすことができます。

2.多頭飼いの管理

– 新たに猫を迎える場合は、FeLVとFIVの感染検査を行い、感染を防ぐための措置を講じましょう。

3.衛生管理

 - 食器やトイレ、寝床などの共用物を定期的に清潔に保つことで、感染リスクを低減します。

4.定期検査

 - 猫の健康状態を確認するために、少なくとも年に1回の検査を受けることをお勧めします。

5.ストレス管理

 - 猫の生活環境を整え、ストレスを軽減することで、免疫力を維持し感染予防につなげます。

6.ケンカの回避

 - 外出を制限し、特に咬傷によるFIV感染を防ぐために、猫同士のケンカを避けましょう。

検査のタイミングについて

FIVでは感染してから約2ヶ月後、FeLVでは感染してから約1ヶ月経たないと、検査結果として反映されてきません。検査の時期によっては、感染しているのに結果が陰性として出てきてしまうこともあります。

生後6ヶ月齢以下でFIV検査の結果が陽性と出た場合、4カ月ぐらいかかって陰転する場合もあるといわれていますので、最初の検査から4カ月たってもう一度検査を受けてください。理由は母猫から抗体を譲り受けただけの場合には、その抗体が消失していきますので再検査で陰性に、その猫自身がウイルスに感染していた場合には再検査でも陽性と結果が出ます。再検査で陽性と出た場合には、その猫がFIVに感染していると考えてよいでしょう。

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