犬の偽妊娠のリスクと予防:飼い主さんが知っておくべきこと
2024/08/15
偽妊娠とは
人で想像妊娠という言葉を耳にされた方もいると思いますが、想像妊娠とは強く妊娠を望んだ時や妊娠について不安な気持ちから起こるもので、妊娠もしていないのにお腹が大きくなったりします。犬の偽妊娠とはホルモンバランスによって起こるもので、特に発情期が終わった後に見られることが多いです。お腹は大きくなったりしませんし、発情が終われば自然とおさまります。
原因
偽妊娠は、発情後にプロゲステロンというホルモンが増加し、その後、プロラクチンというホルモンが作用することで発生します。これにより、体が「妊娠している」と誤認してしまい、妊娠に似た症状が現れます。
主な症状
- 乳腺の発達: 乳房が張り、母乳のような液体が分泌されることがあります。
- 巣作り行動: 犬が布やおもちゃを集めて、巣作りを始めることがあります。
- 母性行動: おもちゃや他の小さな物を子犬のように扱い、保護しようとする行動が見られることがあります。
- 食欲の変化: 食欲が増す、または減少することがあります。
- 落ち着きのない行動: 不安感が増し、落ち着かない様子が見られることがあります。
気をつけてほしいこと
1. 乳腺炎のリスク
偽妊娠中に母乳が出ることがあり、愛犬が自分でその乳を常に舐めてしまうことで、乳腺炎を引き起こす可能性があります。乳腺炎が進行すると、炎症がひどくなり、熱が出たり、シコリができたりすることがあります。これらの症状が見られた場合は、すぐにかかりつけの先生に相談してください。
2. 偽妊娠の繰り返しによるリスク
偽妊娠を繰り返す犬では、ホルモンバランスの影響で、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍を引き起こすリスクが高まることがあります。これらの病気は命に関わることもあるため、早期の予防と対策が重要です。
3. 避妊手術の検討
今後、子犬を産ませる予定がない場合は、避妊手術をお勧めします。避妊手術を行うことで、偽妊娠やそれに関連する病気のリスクを大幅に減らすことができます。