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猫風邪の症状・治療・予防法:猫を健康に保つために知っておきたいこと

猫風邪とは?

猫風邪は、猫に見られる一般的な呼吸器疾患の総称です。ウイルスや細菌による感染が主な原因となり、以下の病原体が一般的です:

  • 猫ヘルペスウイルス1型(FHV-1)
  • 猫カリシウイルス(FCV)
  • 細菌感染(クラミジア、マイコプラズマなど)

症状

猫風邪の症状は、軽度から重度まで幅広く、以下のようなものが含まれます:

  • くしゃみ、鼻水(透明から黄色や緑色)
  • 目ヤニ、結膜炎(目が赤く腫れる)
  • 咳、喉の痛み(声がかすれる場合も)
  • 食欲不振、元気の低下
  • 発熱(高体温になることがあります)
  • 潰瘍(口腔や舌に発生する場合があります、特にカリシウイルス)

 よく冬に鼻水や目やにで顔がぐじゅぐじゅのネコちゃんがいます。そんな症状を起こす病気のひとつに、猫ウィルス性鼻気管炎があります。 猫ウィルス性気管炎(FVR ※1)は通称 猫風邪とも呼ばれ、特に冬に発症しやすい病気です。
  

※1 FVRに感染すると、発熱や元気消失、食欲不振などが見られ、ひどくなると、目やにを伴う結膜炎から始まり、くしゃみ、咳をするようになります。鼻汁は膿性鼻汁(つまり、あおばな)なので、鼻周囲の汚れが目立ちます。ぱっと見た感じは、顔がぐじゅぐじゅだなと印象をうけます。

 

 

 

 

 

 

どこで感染する?

猫風邪は、感染した猫との接触や、ウイルス・細菌を含む分泌物(鼻水、唾液、涙など)に触れることで感染します。主な感染経路は以下の通りです:

  • 感染した猫との直接接触
  • 共用の食器、トイレ、寝床
  • ウイルスが付着した人間の手や衣類を介した間接感染
  • シェルターや多頭飼育環境での密接な接触

 このウィルスに感染すると、そのウィルスは完全に排除されることは少なく
 体調がよく、元気な時は症状はほとんど出ませんが、

体調が悪くなると発熱や元気消失などの症状を発現させます。

このように一度感染すると、生涯にわたり再発を繰り返す場合があります。また子猫では悪化したら死亡率の高い病気です。


猫エイズや猫白血病との関連性

猫風邪そのものが猫エイズ(FIV)や猫白血病(FeLV)の原因にはなりません。ただし、これらの病気に感染した猫は免疫力が低下しているため、猫風邪にかかりやすくなり、症状が重症化するリスクが高まります。


治療方法

猫風邪の治療は原因や症状の程度によります。主な方法は以下の通りです:

  • 対症療法:抗生物質の投与(細菌感染が疑われる場合)、点眼薬や点鼻薬で症状を緩和
  • 栄養補給と水分補給:食事を食べやすいものに変える(ウェットフードなど)や、必要に応じて点滴
  • 抗ウイルス剤:特定のウイルスに対して使用
  • 環境管理:温かく清潔な場所を提供し、ストレスを最小限に

予防

猫風邪を防ぐためには以下の対策が効果的です:

  • ワクチン接種:3種混合ワクチン(猫ヘルペスウイルス、カリシウイルス、汎白血球減少症)を定期的に接種
  • 衛生管理:トイレや食器を清潔に保つ
  • 新しい猫の隔離:新しい猫を迎える際は、健康確認のために一定期間隔離
  • ストレスの軽減:環境を整え、猫がリラックスできる空間を提供する

Q&A

Q1. 猫風邪は人にうつりますか?
A. 猫風邪は人間には感染しませんが、猫同士では非常に感染力が強いです。

Q2. 自宅でのケアで重要なことは?
A. 温かく快適な環境を用意し、脱水や栄養不足に注意して適切なケアを行いましょう。

Q3. 猫風邪は治りますか?
A. ほとんどの場合は適切な治療で回復しますが、一部のウイルスは生涯潜伏する可能性があります。

Q4. ワクチンを打っても感染しますか?
A. ワクチン接種は重症化を防ぎますが、完全に感染を防ぐわけではありません。


気を付けること

  • 他の猫にうつさないよう、感染した猫を隔離
  • 症状が改善しない場合は早めに動物病院へ
  • 定期的な健康チェックを受ける

 

 

 

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犬や猫の腎臓病:早期発見と食事管理の重要性

腎臓病の早期発見の重要性

犬や猫が「おしっこの量が増えた」「水を飲む量が多い」といった変化を見せた場合、腎臓病の初期兆候の可能性があります。特に猫は腎臓病を発症しやすく、15歳以上の約30%が慢性腎臓病にかかるとされています。一度損傷した腎臓の回復は困難で、早期の発見と対処が不可欠です。尿検査や血液検査などの定期的な健康チェックを受けることで、腎臓病の進行を遅らせ、ペットの生活の質(QOL)を守ることができます。

目次

  • 犬と猫の腎臓病の違いとリスク
  • 腎臓病の症状の出方と進行速度
  • 腎臓病の診断方法
  • 腎臓病のステージ分類と症状
  • 治療と管理の方法
  • よくある質問(Q&A)

犬と猫の腎臓病の違いとリスク

犬と猫では腎臓病の進行やリスク、治療方法に違いがあります。これを理解することで、より適切なケアが可能になります。

  • :腎臓病にかかりやすく、症状が進行するまで発見が難しいことが多いです。加齢に伴って多飲多尿や食欲不振が見られた場合は要注意です。
  • :発症頻度は猫より低いものの、加齢、感染症、遺伝的疾患が原因で発症することがあります。症状が比較的早期に現れやすく、飼い主が早めに気づける点が特徴です。

腎臓病の症状の出方と進行速度

  • :腎臓病はゆっくり進行し、末期に急速に悪化することが多いです。多飲多尿や食欲不振が初期症状として見られますが、猫はもともと水分摂取が少ないため、症状に気付きにくい場合もあります。
  • :比較的早期に多飲多尿や体重減少、元気の低下などの症状が現れやすいです。急性腎不全に進行するリスクがあり、早急な対応が必要です。

腎臓病の診断方法

  1. 血液検査
    • BUN(尿素窒素):腎臓の老廃物排出機能を評価。数値が高いと腎機能低下が疑われます。
    • クレアチニン:腎臓の浄化能力を評価。数値の上昇は腎機能の低下を示唆します。
    • SDMA:早期の腎機能低下を検出する指標として有用です。
  2. 尿検査
    • 尿比重:尿の濃さを調べ、腎臓の水分再吸収機能を評価します。
    • 尿蛋白:尿中のタンパク質量が多いと腎臓のフィルター機能異常の可能性が考えられます。
    • UPC(尿蛋白・クレアチニン比):腎臓病の重症度を把握するために重要な指標です。
  3. 超音波検査
    • 腎臓の大きさや形状、腫瘍や結石の有無を確認します。痛みがなく、腎臓の構造を詳細に評価できるため有効です。

腎臓病のステージ分類と症状

腎臓病は「IRIS(International Renal Interest Society)」に基づき4段階に分類され、各ステージに応じた対策が推奨されます。

  • ステージ1(初期):症状はほぼ現れないため、定期的な診断や食事療法が推奨されます。
  • ステージ2(軽度):多飲多尿や食欲減退が見られることがあり、腎臓サポートフードの利用が有効です。
  • ステージ3(中等度):明確な症状が現れ、薬物療法や点滴が必要です。
  • ステージ4(重度/末期):重篤な状態で、緩和ケアが必要となります。

 IRIS CKD ガイドライン:IDEXX JAPAN

治療と管理の方法

腎臓病の進行を抑え、生活の質を保つために次のような方法が用いられます。

  1. 食事療法
    • 低リン食:リンの摂取制限で進行を抑制。
    • 低タンパク質食:腎臓への負担を軽減しますが、バランスも重要です。
    • 高カロリー食:少量で栄養摂取を確保する工夫が大切です。
  2. 補液療法
    • 皮下点滴:自宅でも可能で、脱水予防に役立ちます。
    • 静脈点滴:重度の場合、入院が必要です。
  3. 薬物療法
    • 降圧薬:腎臓の負担を軽減。
    • リン吸着剤や胃腸保護剤:症状緩和を図ります。
    • 貧血治療薬:必要に応じて使用します。
  4. サプリメント
    • オメガ3脂肪酸ビタミンB群コエンザイムQ10などのサプリが腎臓の健康維持に有効とされています。
  5. 緩和ケア
    • 病状が進行し、治療の効果が見込めない場合には、快適な生活をサポートする緩和ケアが重要です。

よくある質問(Q&A)

Q1. 腎臓病の予防方法はありますか?
A: 腎臓病の発症リスクを完全に防ぐことは難しいですが、低リン・低タンパク質のフードや定期健診が予防に役立ちます。

Q2. 腎臓病の初期症状はどのようなものですか?
A: 多飲多尿、食欲減退、体重減少が初期症状です。特に猫は症状が出にくいため注意が必要です。

Q3. 腎臓病の早期発見に有効な検査は?
A: 血液検査(BUN、クレアチニン、SDMA)、尿検査、超音波検査が有効です。特にシニア期に定期的な検査を推奨します。

Q4. 腎臓病の治療方法は?
A: 食事療法や薬物療法、補液療法が行われます。症状に応じて治療内容は異なるため、獣医師と相談の上で最適な治療計画を立てましょう。

Q5. 腎臓病のペットに与えてはいけない食べ物は?
A: 高リン食品(乳製品、骨など)、高塩分食品、高タンパク質食品は避けるべきです。獣医師の指導のもとで腎臓サポートフードを選びましょう。

Q6. 猫におすすめの水分摂取方法は?
A: ウェットフード、複数の水飲み場、循環式の水飲み器が有効です。

 

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愛犬・愛猫を安心して預けるために ~知っておきたい注意点~

 
ペットを友達や親戚に預けていこうと考えている方はもちろんのことペットホテルやペットシッターに預けようと思っている方へ
 

1. 事前に預ける場所を確認しましょう

一度も預けたことがない場合は預けようと考えているところへ、一日体験として、お泊りをさせてみてください。
突然知らない場所に預けられると体調を崩す子もいます。可能なら何回かそこへ預け、預けられる側と動物、お互いに慣れさせてあげてください。
 

2. 必要な書類や準備物を確認

よく病院に問い合わせがあるのが
預けようとしたら、「お店から混合ワクチン、狂犬病予防注射、ノミ取りは行ってますか?」と言われたんですが「今からいいですか?」という電話があります。事前に「何を済ませておかなければいけないか」「準備しておかなければならないもの」など預ける先に確認も行っておいてください。
 
※通常、ペットにワクチンを接種した後、免疫効果が発現するまでに1~2週間程度かかります。この期間に、体内で免疫反応が起こり、病原体に対する抗体が形成されます。
 

ペットを預ける際には、健康状態を確認するための書類や、必要な持ち物を事前に確認しましょう。

  • ワクチン接種証明書: 多くのペットホテルでは、ワクチン接種が済んでいることを確認するために証明書の提示が必要
  • 食事やおやつ: 普段与えている食事やおやつを持参し、与える量や頻度を事前に伝えておきましょう。
  • お気に入りのグッズ: おもちゃや毛布など、ペットが安心できるアイテムを持たせると、ストレスを軽減できます。

3. ペットの健康状態を伝える

ペットの現在の健康状態や特別なケアが必要な場合は、預ける場所の方に正確に伝えましょう。

  • 持病やアレルギー: もし持病がある場合やアレルギーがある場合は、薬の投与方法や注意点も含めて詳細に伝えましょう。
  • 性格や行動の傾向: ペットが人見知りや、他の動物とあまりうまくいかない場合、その点も伝えると、預け先の方が適切に対応してくれます。

4. 緊急時の連絡方法を確認

万が一の緊急時に備えて、連絡先や緊急時の対応方法をしっかりと確認しておきましょう。

  • 緊急連絡先: 自身の連絡先のほか、信頼できる家族や友人の連絡先も伝えておくと安心です。
  • 動物病院の情報: かかりつけの動物病院の情報を伝え、緊急時にはすぐに対応できるようにしておきます。
 
 
 
 

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犬猫の熱中症対策:夏と冬の注意点

熱中症とは?

熱中症は、体が過剰な熱を逃がすことができず、体温が異常に上昇する状態です。犬や猫は人間よりも体温調節が苦手で、特に湿度や温度の影響を受けやすいです。適切な対策を講じないと、熱中症は命にかかわる深刻な問題になることがあります。

特に、パグフレンチブルドッグなどの鼻が短い犬種は、暑さで呼吸がしにくくなるため、熱中症になりやすいです。また、ゴールデンレトリバーなどの大型犬も体温を調節しにくいので注意が必要です。猫では、ペルシャメインクーンのような毛が長い種類が、毛の中に熱がこもりやすく、暑さに弱いです。

さらに、子犬・子猫高齢のペットは体温調節が苦手なため、特に注意が必要です。病気を持っているペットも同様です。ペットの体調をよく観察し、快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。


 

目次

夏の熱中症対策

夏は特に犬や猫にとって過酷な季節です。気温が高くなると、熱中症のリスクが増しますが、湿度も重要な要素です。

1. 室内環境の管理

温度の調整

犬猫が快適に過ごせる室温は、一般的に 22℃〜26℃ が理想的です。犬猫は人間よりも体温が高いため、特に夏場は涼しい環境を提供することが重要です。

  • 夏季:25℃以下に保つようにし、エアコンや扇風機を使用して涼しい環境を維持しましょう。

湿度の管理

  • 湿度は 40%〜60% が理想的です。湿度が高すぎると、熱中症のリスクが高まり、逆に低すぎると皮膚や呼吸器に負担がかかることがあります。

    • 高湿度対策:除湿機やエアコンの除湿機能を利用して、湿度をコントロールしましょう。また、風通しを良くすることで室内の湿気を逃がすことができます。
    • 低湿度対策:冬場や乾燥しやすい環境では、加湿器を使用して適度な湿度を保つように心がけましょう。

風通しの確保

  • 室内で過ごす場合、風通しの良い環境を作ることが大切です。窓を開けて自然の風を取り入れたり、扇風機で空気を循環させると効果的です。ただし、暑い空気が外から入る場合は、エアコンを利用する方が良いでしょう。

2. 水分補給

常に新鮮な水を用意

  • 犬や猫がいつでもアクセスできるように、新鮮な水を常にたっぷりと用意しましょう。夏場は特に脱水症状を防ぐために、頻繁に水を取り替えて清潔な状態を保つことが大切です。

外出時の水分補給

  • 散歩や外出時には、ペット用の水筒や折りたたみ式の水皿を持参し、こまめに水を飲ませるようにします。特に暑い日には短い時間の外出でも水分補給が不可欠です。

3. 散歩や運動は涼しい時間帯に

早朝や夕方に散歩

    • 夏の散歩は、朝早くか夕方以降の涼しい時間帯に行いましょう。日中の高温時は熱中症のリスクが非常に高く、またアスファルトが熱くなるため、肉球が火傷する危険もあります。地面の温度を手で確認し、散歩中はペットの様子をこまめに観察しましょう。

                      

無理な運動を避ける

  • 高温多湿の環境での激しい運動は避けるべきです。短時間の散歩や軽い運動に留め、運動後は涼しい場所でしっかり休ませましょう。

4. 冷却グッズを活用

冷却マットや冷却ベスト

  • 市販の冷却マットや冷却ベストは、犬や猫が体を冷やすために非常に有効です。これらを用意して、室内や外出先でペットが涼を取れるようにしましょう。

保冷剤や冷たいタオル

  • 保冷剤や冷たいタオルをタオルで包んで、ペットの体に当てて体温を下げるのも効果的です。ただし、直接肌に当てすぎると凍傷の危険があるため、タオルや布でしっかり包んでから使用してください。

5. 車内での放置は絶対に避ける

  • 車内は短時間でも非常に高温になるため、絶対に犬や猫を車内に放置しないでください。窓を少し開けても温度は急上昇し、わずか数分で熱中症の危険にさらされます。

6. 熱中症の初期症状に気づく

主な症状

  • 激しいパンティング(呼吸が荒い)
  • よだれが多く出る
  • ぐったりして動かない
  • 口の中が赤くなる
  • 嘔吐や下痢

これらの症状が見られた場合は、すぐに涼しい場所に移動させ、体を冷やしながら水を少しずつ与え、早急に動物病院に連れて行くことが大切です。

冬の熱中症対策

冬は気温が低い季節ですが、室内の暖房の使いすぎによって犬や猫が熱中症になることがあります。特に換気が不十分な環境や湿度管理ができていない場合、冬でも熱中症の危険性があります。以下では、冬に気をつけるべきポイントを紹介します。

1. 室内温度の適切な管理

室温は25℃以下をキープ

  • 冬の寒さからペットを守るために暖房を使うことが多いですが、室内温度が高くなりすぎると熱中症のリスクが高まります。犬や猫は人間よりも暑さに敏感なため、室温は15℃〜20℃程度が適温とされています温度計を使って、定期的に室内の温度をチェックすることが大切です。

自分で涼しい場所を選べる環境を作る

  • ペットが自分で温度を調節できるよう、暖かい場所と涼しい場所を用意しましょう。ペットが寒いと感じた時に暖房に近づきすぎないよう、温度管理がしやすい環境を整えることが重要です。

2. 湿度の管理

湿度40~60%を目安に

  • 冬の暖房で室内が乾燥すると、ペットの呼吸器や皮膚に負担がかかることがあります。犬や猫も乾燥した空気に弱く、脱水状態になりやすいため、**湿度を40~60%**に保つことが理想的です。加湿器を使って適切な湿度を維持し、空気の乾燥を防ぎましょう。

湿度が低すぎると脱水症状のリスクが増す

  • 乾燥した環境では、犬や猫の体内の水分が失われやすくなります。適切な湿度を保つことで、ペットの体温調整もスムーズに行えます。

3. こまめな換気

新鮮な空気を入れ替える

  • 暖房を使っていると、ついつい部屋を閉め切りがちですが、こまめな換気が重要です。部屋の空気がこもると、温度が上がりすぎたり、湿度が不安定になることがあります。定期的に窓を開けて空気を入れ替え、室内環境を適切に保ちましょう。

4. 暖房器具の使用に注意

ペットが暖房に近づきすぎないように

  • ストーブやヒーターなどの暖房器具は、犬や猫が近づきすぎると体温が急上昇してしまうことがあります。ペットが安全に過ごせるように、暖房器具から十分な距離を確保し、温度が上がりすぎないように注意しましょう。

ホットカーペットや電気毛布の使用は適切に

  • ペット用のホットカーペットや電気毛布を使用する場合は、温度が高くなりすぎないように調整しましょう。長時間同じ場所で過ごすと、体温が上がりすぎる危険があるため、自動で温度が調節できるものや、タイマー機能が付いたものを使用すると良いでしょう。

高齢犬猫の冬の暖房器具・ホットカーペット使用時の注意点」についてこちらで詳しくせつめいしています。


5. 水分補給を忘れない

冬でもこまめに水分補給

  • 暖房で室内が乾燥するため、犬や猫も脱水症状を起こしやすくなります。冬でも新鮮な水を十分に用意し、こまめに水分補給を促すことが大切です。特に猫は水を飲む量が少ないことがあるため、ウェットフードを与えることで水分を補うのも有効です。

6. 熱中症の兆候に注意

冬でも熱中症のリスクあり

  • 冬でも犬や猫が熱中症になる可能性があります。以下のような症状が見られた場合は、すぐに対処が必要です。

熱中症の主な症状

  • 激しいあえぎ(パンティング)
  • ぐったりして動かない
  • 呼吸が速くなる、または苦しそうにする
  • 体が熱く感じる
  • 嘔吐や下痢

これらの症状が現れた場合は、ペットをすぐに涼しい場所に移し、体を冷やしながら水を少しずつ与え、すぐに動物病院に連れて行ってください

合わせて読んで欲しいページ「冬でも注意!ペットがかかる「冬場の熱中症」とは?

犬猫の熱中症対策:夏と冬のQ&A

Q1. 犬や猫が熱中症になるのは夏だけですか?

A: 熱中症は主に夏に起こりやすいですが、冬でも注意が必要です。暖房が効きすぎた室内や、換気が十分でない場所では冬でも熱中症が発生することがあります。特に体温調整が難しい子犬や子猫、老齢のペットには注意が必要です。

Q2. 夏に犬や猫の散歩をする際、気をつけるべき時間帯はありますか?

A: はい、夏の散歩は朝早くか夕方以降、涼しい時間帯に行うのが理想です。アスファルトは日中に非常に熱くなるため、肉球を火傷する危険もあります。地面を手で触って確認し、散歩中もペットの様子をこまめにチェックしましょう。

Q3. 室内での熱中症対策として、何をすれば良いですか?

A: 室内での熱中症対策として、以下のポイントに気をつけましょう:

  • 涼しい場所の確保: エアコンや扇風機を使い、室温を適切に保ちましょう。ペットが涼しい場所で休めるよう、日陰や風通しの良い場所を提供します。
  • 水分補給: 常に新鮮な水をたっぷりと用意し、すぐに飲めるようにしましょう。
  • 冷却グッズ: 冷却マットや冷却ベストなど、ペット用のクールグッズを活用するのも効果的です。

Q4. 猫はあまり水を飲まないのですが、夏の水分補給対策はどうすれば良いですか?

A: 猫は水を飲む量が少ない傾向にあるため、水分補給が重要です。以下の方法を試してみてください:

  • ウェットフードを与える: ウェットフードには水分が含まれているため、乾燥したキャットフードより水分補給に役立ちます。
  • 水を置く場所を工夫する: 複数の場所に水を置いたり、流れる水を好む猫にはペット用のウォーターファウンテンを利用すると飲む意欲が高まることがあります。

Q5. 冬の暖房使用時、熱中症にならないための注意点はありますか?

A: 冬場に暖房を使用する際、部屋が過剰に暖かくならないよう注意が必要です。以下の点を確認しましょう:

  • 温度管理: 室温を25℃以下に保つことを目安にしましょう。特に犬猫は、暑くなりすぎると体温が上昇して熱中症になる危険があります。
  • 湿度調整: 暖房で乾燥しがちな室内は、湿度が低下すると呼吸器に負担をかけることも。加湿器などを使って、適度な湿度(40~60%)を保ちましょう。

Q6. 熱中症の初期症状は何ですか?

A: 犬や猫が熱中症になった場合、以下のような初期症状が見られることがあります:

  • 激しいあえぎや呼吸が速い
  • 大量のよだれや口の中が赤くなる
  • ぐったりして動かない、反応が鈍くなる
  • 嘔吐や下痢

これらの症状が見られたら、すぐに涼しい場所に移動し、体を冷やしながら水を少しずつ与え、早急に動物病院に連れて行きましょう。

Q7. 熱中症を予防するための一般的なアドバイスは?

A: 予防が最も重要です。以下を心がけてください:

    • 暑い日は外出を控える: 特に真夏や日中の高温時間帯は無理に外出しないようにしましょう。
    • 冷房を適切に使う: 室内の温度を快適に保ち、適切な換気を心がけましょう。
    • ペットの体調を定期的に確認する: 特に高齢や持病のあるペットは体調が変わりやすいため、日常的な観察が大切です。

 


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犬の外耳炎:原因と予防、早期対策が重要

犬の外耳炎の原因はさまざまな要因によって引き起こされます。外耳炎は耳の外側の部分(外耳道)が炎症を起こす病気で、原因を正しく特定することが、治療の成功に大切です。以下に代表的な原因を説明します。

こんな症状があれば注意!!

・耳をよくかいたり、頭を振る
・耳から変な臭いがする
・耳が赤くなっている
・耳垢が増えたり、黒っぽい耳垢が出る
・耳を触られるのを嫌がる

1. アレルギー

アレルギーは外耳炎の主要な原因の一つです。以下のようなアレルギーが影響します。

  • 食物アレルギー: 特定の食品に対するアレルギー反応が皮膚に現れ、外耳炎を引き起こすことがあります。
  • 環境アレルギー: 花粉、ハウスダスト、カビなどに対するアレルギー反応が、耳の炎症を引き起こす場合があります。

2. 耳の構造

犬種によって耳の形状が異なり、一部の犬種では耳が垂れているため、耳の中が湿りやすく、通気性が悪くなることがあります。このため、細菌や真菌が繁殖しやすく、外耳炎が発生しやすくなります。例えば、コッカースパニエルゴールデンレトリバーなどの犬種は外耳炎になりやすいです。

詳しくは「犬の耳の役割と健康管理」で説明しています。

3. 耳ダニ

耳ダニ(オトダス・シノティス)は外耳炎の原因の一つです。特に若い犬に多く見られ、耳の中でダニが繁殖し、強い痒みや炎症を引き起こします。黒い耳垢が特徴です。

詳しくは「耳ダニ」で説明しています。

4. 細菌・真菌感染

細菌や真菌(特にマラセチアという真菌)が耳の中で増殖することが外耳炎の直接的な原因になります。湿気が多い環境や、耳の中が汚れている状態では、これらの病原体が繁殖しやすくなります。

詳しくは「マラセチア」で説明しています。

5. 外傷

耳の中を引っ掻いたり、異物(草の種や小さなゴミなど)が耳に入ることで外傷が起こり、それがきっかけで外耳炎になることがあります。耳を強くこすったり、掻く行為が外耳の組織を傷つけ、炎症を引き起こすこともあります。

6. ホルモン異常

ホルモンバランスの異常(例:甲状腺機能低下症やクッシング症候群など)が外耳炎の原因になることがあります。これらの基礎疾患により、皮膚のバリア機能が低下し、感染や炎症が起こりやすくなります。

7. その他の要因

  • 免疫力の低下: ストレスや老齢などによって免疫力が低下すると、外耳炎にかかりやすくなります。
  • 耳の不適切なケア: 耳の掃除を怠ったり、逆に頻繁に掃除をしすぎて耳のバリアを傷つけることも原因となることがあります。

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犬猫の皮膚炎・皮膚疾患ガイド:種類・治療法・予防策と飼い主が知っておきたいQ&A

1. はじめに

犬や猫にとって、皮膚は外部からの刺激を防ぐ大切な防御機能を持っていますが、皮膚トラブルは多くのペットに見られる一般的な問題です。早期の発見と適切な治療がペットの健康を守るために重要です。

2. 皮膚炎・皮膚疾患の種類

Ⅰ. アレルギー性皮膚炎

概要: 食物アレルギーや環境アレルゲン(花粉、ほこり、ダニなど)が原因で引き起こされる皮膚炎。
症状: かゆみ、発疹、赤み、湿疹、脱毛。

詳しくは「アレルギー性皮膚炎」について説明しています。

Ⅱ.寄生虫性皮膚炎

症状: 強いかゆみ、かきむしりによる皮膚の傷、赤み。

詳しくは「ノミアレルギー性皮膚炎」にて説明しています。

Ⅲ. 真菌性皮膚疾患(リングワーム)

概要: カビや真菌が原因で、特に湿気の多い環境で発生しやすい。
症状: 円形の脱毛部、皮膚のかさぶた、かゆみ。

詳しくは「ワンちゃん・ネコちゃんの皮膚トラブル、真菌感染が原因かも?見逃しがちな症状と対策」にて説明しています。

Ⅳ. 脂漏症

概要: 皮脂の分泌過多によって皮膚がベタつく疾患。
症状: ベタついた皮膚、臭い、フケ。

詳しくは「脂漏症の早期発見とケア方法:治療期間・予防・飼い主向けQ&A」にて説明しています。

3. 皮膚疾患の治療方法

Ⅰ. アレルギー性皮膚炎の治療

治療法: アレルゲンの特定と除去、抗ヒスタミン薬やステロイドの投与、低アレルゲン食の導入。
注意点: アレルゲンを完全に避けるのは難しいため、定期的なケアが必要です。

Ⅱ. 寄生虫性皮膚炎の治療

治療法: ノミ・ダニ駆除薬の使用、ペットの環境の清掃、予防薬の継続使用。
注意点: 寄生虫の再発を防ぐために、定期的な予防薬の投与が重要です。

Ⅲ. 真菌性皮膚疾患の治療

治療法: 抗真菌薬の塗布や内服、環境の消毒。
注意点: 感染力が強いため、他のペットや人への感染に注意が必要です。

Ⅳ. 脂漏症の治療

治療法: 特殊シャンプーの使用、食事療法、必要に応じて薬の投与。
注意点: 根本的な原因の治療が必要な場合が多いです。

4. 予防方法と日常ケア

Ⅰ. 皮膚の清潔を保つ:

定期的なブラッシングやシャンプーで皮膚を清潔に保ち、皮脂の分泌をコントロールします。ペットの皮膚に合ったシャンプーを使用することが大切です。

Ⅱ. 寄生虫予防:

ノミ・ダニ予防薬を定期的に使用し、寄生虫から守ります。また、ペットの生活環境も清潔に保ち、寝具やおもちゃの定期的な洗浄も行いましょう。

Ⅲ. バランスの取れた食事:

栄養バランスの取れた食事は、健康な皮膚を維持するために不可欠です。特に、オメガ3脂肪酸やビタミンEなどの栄養素が含まれた食事は皮膚を健康に保つのに役立ちます。

Ⅳ. ストレスを減らす:

ストレスは皮膚トラブルの原因になることがあるため、十分な運動や快適な環境を整え、ストレスの軽減に努めましょう。

5. よくある質問(Q&A)

Q1: 犬がよく体をかきむしっているのですが、どうすれば良いですか?
A: かゆみの原因はアレルギーや寄生虫、真菌などさまざまです。まずは動物病院で診断を受け、原因に応じた治療を行うことが大切です。

Q2: 猫の皮膚に赤い発疹が出ていますが、どうしたら良いですか?
A: 赤い発疹はアレルギー性皮膚炎や接触性皮膚炎の可能性があります。早めに動物病院で診察を受け、適切な治療を行いましょう。

Q3: ペットにノミが付いているのを見つけたらどうすれば良いですか?
A: まずは、ペットにノミ駆除薬を使用し、家の中の掃除も徹底的に行いましょう。ノミは環境中にも卵や幼虫が存在するため、再発防止のために継続的な予防が重要です。

Q4: 犬の皮膚がべたついて臭いがするのですが、どう対処すれば良いですか?
A: 脂漏症の可能性があります。適切なシャンプーや食事管理、必要であれば薬物治療を行うことで改善が見込めます。動物病院での診察をお勧めします。
6. アドバイスコーナー:日常生活でできる皮膚トラブルの対策

Ⅰ. 日常的なブラッシング:

定期的にブラッシングを行うことで、抜け毛やフケを取り除き、皮膚の通気を良くします。これにより、毛玉ができるのを防ぎ、皮膚トラブルを予防します。

Ⅱ. 環境の清潔保持:

ペットの寝床や居住スペースの清掃を定期的に行い、皮膚への刺激を最小限に抑えます。特にノミやダニの発生を防ぐため、掃除機や洗浄を徹底しましょう。

Ⅲ. 皮膚に優しいシャンプーを選ぶ:

ペット専用のシャンプーを使用し、人間用の製品は避けましょう。ペットの皮膚に合ったシャンプーを選び、敏感肌用やアレルギー対応のものを選ぶと良いです。

Ⅳ. 病院での定期的なチェックアップ:

定期的に動物病院で健康診断を受け、皮膚トラブルの早期発見に努めます。早期発見によって治療が早く進み、重症化を防ぐことができます。

まとめ:
犬や猫の皮膚炎や皮膚疾患は一般的な問題ですが、予防と適切なケアで改善や予防が可能です。飼い主が早期に症状に気づき、適切な治療を行うことで、ペットの健康と快適な生活を守ることができます。日常のケアと定期的な獣医の診察で、ペットの皮膚トラブルを未然に防ぎましょう。

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災害時におけるペットとの避難について

災害が起きるときに備えて、ペットと一緒に避難するための準備が大切です。以下は、ペットと一緒に安全に避難するための基本的なポイントです。

災害時に「ペットがいるから避難できない」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、環境省は「原則として避難時にはペットと一緒に避難する」 ※1.同行避難が推奨されています。

 1.避難場所を確認しよう: ペットと一緒に行ける避難場所を調べておこう。避難所によってはペットが入れるところもあるから、事前に確認しておくと安心だよ。

ペットの防災対策をしましょう!>災害時の避難場所(予定避難所・一時避難地)>市内の予定避難所・一時避難地一覧(令和6年5月1日現在),(参照2024-07-30)

 

北九州市.ペットの防災対策をしましょう!https://www.city.kitakyushu.lg.jp/ho-huku/18500066.html,(参照2024-07-29)

 

 2.ペット用の防災バッグを用意しよう: ペットのご飯やお水、トイレシート、予備のリードやハーネス、いつも飲んでいる薬、お気に入りのおもちゃをバッグにまとめておこう。それから、ペットの健康手帳や注射を受けた記録も忘れずにね。

 3.ペットの気持ちを考えよう: ペットが怖がったりしないように、どんなときにストレスを感じるかを知っておこう。避難所では、安心できる毛布やケージを持って行くといいよ。

 4.避難訓練をしよう: 家族みんなで避難訓練をして、ペットと一緒に逃げる練習をしておくと、本当に災害が起きたときにスムーズに行動できるよ。

5.ペットの一時預かり先について:親戚や友人等、複数の一時預かり先を探しておくと安心だよね。

 

外部リンク

ペットの防災 FOR AOMORI

しつけでHAPPY-これであなたも褒め上手-

ペットの防災対策をしましょう! | 北九州市

【人とペットの災害対策】いざというときに備えよう、飼い主と避難所運営者のための手引きについて | 北九州市

犬と猫のマイクロチップ情報登録 | 環境省

犬の登録と狂犬病予防注射 | 北九州市

 

※ 1.ペットの同行避難とは

災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所等まで避難

すること。同行避難とは、ペットと共に移動を伴う避難行動をすることを指し、避難所等

において飼い主がペットを同室で飼養管理することを意味するものではない。

なお、「避難所運営ガイドライン」(平成 28 年 4 月内閣府)では、「同伴避難」という用

語が用いられている。「同行避難」が、ペットとともに安全な場所まで避難する行為(避

難行動)を示す言葉であるのに対して、「同伴避難」は、被災者が避難所でペットを飼養

管理すること(状態)を指す。ただし、同伴避難についても、指定避難所等で飼い主がペ

ットを同室で飼養管理することを意味するものではなく、ペットの飼養環境は避難所等に

よって異なることに留意が必要である。

環境省.人とペットの災害対策ガイドライン.https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002/2-sousetsu.pdf,(参照2024-07-29).

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蚊が運ぶフィラリアのひみつ

犬を飼う上で欠かせないフィラリア予防

フィラリア症の予防は、犬を飼ううえで基本となる予防の一つです。毎年きちんと予防している飼い主さんも多いですが、中にはフィラリアについて不安や疑問を抱えている飼い主さんもいるかもしれません。

そこで、今回は飼い主さんからの相談内容を元にフィラリア予防について解説し、愛犬の健康を守るために必要な知識をお伝えしたいと思います。

📖目次

1. フィラリア症は予防できる!

まず、「フィラリア症」とは何かをご説明します。蚊が、フィラリアが寄生した犬からフィラリアの幼虫を運んできます。この感染した犬の血を吸った蚊が別の犬の血を吸うことでフィラリアに感染します。寄生虫であるフィラリアが犬の体内に侵入し、心臓や肺動脈寄生して悪影響を及ぼす病気です。特に重症化すると命に関わるため、毎年の予防が欠かせません。詳しくは【こちらの記事】でご確認ください。

2. フィラリア予防はいつから始めるの?

福岡県ではフィラリアは蚊を媒介して感染するため、蚊の活動が始まる4月下旬~5月から予防を始め、12月まで毎月薬を与えることが一般的です。

国土交通省 気象庁 >各種データ・資料 > 過去の気象データ検索 > 平均値(年・月ごとの値

最近では、1年を通して予防する「通年予防」が推奨されています。温暖化により蚊の活動期間が長くなっているため、通年予防を行うことで感染リスクをより確実に防ぐことができます。また、定期的に予防薬を飲ませる習慣ができるため、忘れにくくなるという利点もあります。

3. 予防薬を飲ませる前に、必ずフィラリア検査を

フィラリア予防薬は、日本では「要指示医薬品」というものに分類されており、獣医師の処方が必要です。もし、フィラリアに感染した状態でお薬を飲ませた場合、血液中のミクロフィラリアを殺すと同時に犬がショック状態に陥ったり、発熱したりすることがあります。そのため、予防を始める前にフィラリアに感染していないことを確認する検査が必要です。当院では「キャナイン-フィラリアキット(ささえあ製薬株式会社)」で簡単に検査ができ、結果は5〜10分程度で出ます。

4. 愛犬に合った予防薬を選ぼう

フィラリア予防薬にはいくつかの種類がありますので、愛犬の性格や体質に合ったものを選んであげましょう。

  • 錠剤タイプ: 好き嫌いがあるワンちゃんやアレルギーを持つワンちゃんにおすすめです。ご飯やおやつに混ぜてあげることで、飲ませやすくなります。

当院では、「ハートメクチン錠」を取り扱っています。

  • チュアブルタイプ: おやつのような薬で、犬が好むミートフレーバーなので、簡単に与えることができます。ただし、食物アレルギーのあるワンちゃんは注意が必要なので、アレルギー体質がある場合は先生に伝えてください。

当院では、フィラリアに加えてノミ・マダニ・回虫なども一緒に予防できるオールインワンタイプの「シンパリカトリオ」と、フィラリア予防専用の「イベルメックPI」の2種類をご用意しています。

また、当院では取り扱っていませんが、以下の選択肢もあります。

  • スポットオンタイプ: 薬を飲ませるのが難しいワンちゃんにおすすめです。毛を分けて皮膚に塗布し、同時にノミの予防もできます。
  • 注射タイプ: 年に1回の注射で予防ができ、通年で確実に予防したい方におすすめです。

どの薬もフィラリア予防に対する効果は同じです。フィラリア症の予防薬は体内に入ったフィラリアの幼虫を駆除するものです。

5. 確実な予防を行うために

月に一度、体重に合わせた適切な量の予防薬を飲ませることが大切です。もし薬を飲ませた後に嘔吐したり、体調に異常が出たりした場合は、すぐに相談してください。また「妊娠してるけど予防薬をあげてもいい?」「授乳中だけど予防薬をあげてもいいの?」など不安な点がある場合も相談してください。

6. よくある問い合わせ

Q1.フィラリアのお薬だけもらえますか?

フィラリアの薬を処方する前には、フィラリア感染の有無を確認するための検査が必要です。もし感染している場合、予防薬を投与すると逆に健康に害を及ぼす可能性があるため、まず検査を行った上で処方を行います。他の病院で検査を受けた結果があれば、その結果に基づいてお薬を処方します。

Q2.お薬を飲んだ後に、すぐ吐いてしまいました。

薬を飲んだ直後に吐いてしまった場合、でてきたものを再度飲ませていただければ大丈夫です。ただし、ばらばらに砕けた状態で吐いた場合は薬が十分に吸収されていない可能性があります。また数時間経ってから薬を吐いてしまった場合も。その場合、薬を再度投与することを検討する必要がありますが、自己判断で再度投与せず、必ず獣医師に相談してください。吐いてしまった原因や薬の種類によって対処法が異なるためです。

Q3.先月お薬を飲ませ忘れましたが、大丈夫ですか?

すぐに飲ませるようにお伝えしてます。ただし、2ヶ月もたっている場合は感染の可能性もあるので再、度検査をお願いしています。

Q4.子犬だけど検査は必要ですか?

蚊が出ていない時期に生まれた子犬の場合、はじめて予防する年は検査の必要はありません。ただし、翌年から検査が必要となってきます。

フィラリアは成虫になって幼虫を生むまでにおよそ6ヶ月を要します。そのため、蚊のいない冬季に生まれた犬であれば、初めての春の時点では、体内にフィラリアの成虫も大量の幼虫もいないと判断されるため。

その他ご質問があれば、ご相談ください!

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犬猫の夏バテ予防対策~暑い季節を元気に過ごすためのポイント~

夏場は犬や猫が夏バテを起こしやすい時期です。夏ばての予防対策を紹介します。

1. 室内環境の管理

  • 涼しい場所を提供:ペットが快適に過ごせるように、エアコンや扇風機を利用して室温を適切に保ちましょう。窓を閉めて日差しを遮り、直射日光が当たらない場所を提供することも重要です。

  ペットの健康を守る!犬・猫・ハムスター・ウサギ・鳥に快適な温度と湿度は?

  • 温度計を設置:室温が適切かどうか確認できるように、ペットが過ごす場所に温度計を置いて、常にチェックしましょう。

  熱中症(室温)

2. 水分補給

  • 新鮮な水を常に提供:夏場は特に水分摂取が重要です。水飲み場を複数設け、頻繁に水を交換して、新鮮な水をいつでも飲めるようにします。 

  熱中症対策(水分補給編)

3. 散歩や運動の工夫

  • 早朝や夕方に散歩:犬の散歩は気温が高くなる前の早朝や、涼しくなる夕方に行いましょう。アスファルトの温度が高い場合、肉球が火傷する恐れがあるので注意が必要です。散歩の際は保冷材などをタオルに包んで首に巻いてあげてください。

  • 無理な運動を避ける:暑い時期には激しい運動は避け、室内での軽い遊びや涼しい場所での活動を心がけます。

  ペットの熱中症に注意

4. 食事の工夫

  • 軽めの食事:夏バテで食欲が落ちる場合、消化に良い軽めの食事やウェットフードを与えると良いでしょう。また、1日量を少量ずつに分けて回数を多く与えるのも一つの方法です。
  • 冷たいおやつ:暑い日に冷たいおやつなどを与えて、体を内側から冷やすことも効果的です。
  • 少量でも栄養補給が出来る食事:食欲が落ちてきたなと思うときは、栄養価の高い缶詰をあげてください。

※塩分の高いものや人が食べているものをあげないようにしましょう。

5. 被毛のケア

  • 定期的なブラッシング:被毛を整え、余分な毛を取り除くことで、通気性が良くなり体温を調整しやすくなります。

 ブラッシングしていますか?(熱中症対策)

  • 短くカット:犬の場合、夏の間は毛を短めにカットするのも一つの方法です。ただし、猫の場合はあまり短くしすぎない方が良いです。被毛は体温調節の役割も果たしているため、慎重に行いましょう。

6. 熱中症の予防

注意サインを見逃さない:犬や猫が過度にパンティング(口を開けて呼吸をする)、よだれを垂らす、ぐったりしている、動きたがらないなどの症状を示した場合、すぐに涼しい場所に移し、場合によっては水をかけて体を冷やし、早めにかかりつけの獣医師に相談してください。

参照:日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト

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環境アレルゲン 起こりやすい時期

環境アレルゲンは、季節や気候の変化によって多く発生し、犬や猫にアレルギー症状を引き起こしやすくなります。特に柴犬のような犬種も、これらの環境要因に反応することがあります。以下に、環境アレルゲンが発生しやすい時期についてまとめます。

1. 春(3月~5月)

  • 花粉:
    春は花粉の飛散量が多くなる季節です。特にスギ、ヒノキ、イネ科の植物の花粉が空気中に大量に飛散し、犬猫にも影響を与えます。花粉が体や被毛に付着することで、かゆみや赤み、鼻水などの症状が現れることがあります。

  • ホコリ・ダニ:
    気温が上がり始めると、室内にいるダニやホコリも増加し、ペットの皮膚や呼吸器に影響を与えやすくなります。


2. 夏(6月~8月)

  • カビ:
    梅雨や湿度の高い夏の時期には、湿気が原因でカビが繁殖しやすくなります。カビの胞子が空気中に舞い、それがアレルゲンとして作用することがあります。

  • ダニ・ノミ:
    高温多湿の季節はダニやノミが繁殖しやすく、これらの寄生虫が犬猫に付着することで、アレルギー反応を引き起こすことがあります。


3. 秋(9月~11月)

  • 雑草の花粉:
    秋にはブタクサ、ヨモギなどの雑草の花粉が増加します。春の花粉ほどではありませんが、秋にも花粉アレルギーを引き起こす植物が多く存在します。

  • 乾燥した環境:
    気温が下がり、湿度が低くなる秋の季節には、乾燥した空気が犬猫の皮膚を刺激しやすくなります。このため、アレルギー性皮膚炎の症状が悪化することがあります。


4. 冬(12月~2月)

  • 室内アレルゲン:
    寒い季節には窓を閉め切ることが多く、室内のホコリやダニの数が増加し、空気が滞留することでアレルギー反応が強くなることがあります。また、暖房によって空気が乾燥し、皮膚にかゆみを引き起こす場合もあります。

まとめ

環境アレルゲンが多い時期:

  • 春(花粉)
  • 夏(カビ、ダニ、ノミ)
  • 秋(雑草の花粉、乾燥)
  • 冬(室内アレルゲン、乾燥)

季節ごとに異なるアレルゲンが原因となり、犬や猫がアレルギー症状を発症することがあります。飼い主としては、季節に応じた予防とケアが重要です。

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